身体と対話する整体コラム Vol.13
腰痛といえば、「腰を反りすぎている姿勢」を思い浮かべる方が多いかもしれません。 しかし整体の現場では、逆に「腰のカーブがなくなり、真っ直ぐになっている方」も少なくありません。
横から見ると、このような姿勢です。
- お尻が下がっている
- 骨盤が後ろに倒れている
- 腰の自然なカーブがない
- 背中が丸くなっている
これは専門的には「骨盤後傾(こつばんこうけい)」や「フラットバック」と呼ばれる状態です。
⚠️ 読む前の大切なチェック 一口に「腰痛や姿勢の悩み」と言っても、実は真逆のタイプがあります。
- タイプA: お尻がツンと上がり、腰のカーブが強すぎる(前回のテーマ:反り腰)
- タイプB: 内股の力が抜けてお尻が下がり、腰のカーブがなくなっている(今回のテーマ:骨盤後屈・フラットバック)
※今回のテーマは腰痛のタイプ別の内容になりますので、このまま読み進める前に「お読みいただく際のご注意(免責事項)」をご一読ください。
また、今回の記事は、タイプB骨盤が後ろに倒れて腰の反りがない)の方に向けた内容です。「タイプA(反り腰)」の方が今回の内容をそのまま実践すると、かえって腰痛を悪化させてしまう恐れがありますので「【Vol.12】反り腰の人が疲れやすい理由|腰ではなく呼吸と腹圧の話」をご覧ください。
眠ってしまった「支える力」
このタイプの方を観察すると、ある共通した特徴があります。 それは、内ももの力が抜け、お尻が下がっていることです。
本来、私たちの身体は「足の内側」から骨盤を支えています。 内ももが正しく働き、お尻が適度に引き上がることで、骨盤が安定して腰に自然なカーブが生まれるのです。
ところが、長時間のデスクワークや運動不足が続くと、この支える力が眠ってしまいます。 土台の支えを失った身体は、骨盤を後ろへダラリと倒し、できるだけ楽をしようとします。
その結果、お尻が下がり、連動して腰の感覚もカチコチに固まって「黙って」しまうのです。
「胸を張る」だけでは変わらない理由
この状態のときに、 「姿勢を良くしよう!」 と思って無理に胸を張る方がいます。
しかし、残念ながらそれでは長続きしません。 なぜなら、問題は「腰」そのものではなく、身体を支える「土台(下半身)」にあるからです。
土台が眠ったままで上半身だけを正そうとしても、かえって腰や背中を疲れさせてしまいます。
ワーク①:足踏みで「股関節の奥」を目覚めさせる
当院では、このタイプの方には簡単な「足踏み運動」を提案することがあります。

その場で、片脚ずつゆっくりと持ち上げるだけの動きです。 これだけで、股関節の奥にある「大腰筋(だいようきん)」や「腸骨筋(ちょうこつきん)」と呼ばれるインナーマッスルが働き始めます。
これらの筋肉は、単に脚を持ち上げるだけでなく、骨盤を正しい位置で支え、背骨を安定させる重要な役割を担っています。
足踏みを少し続けてみてください。 「あれ、さっきより腰が伸びやすいな」 「身体がすっと軽く立てるな」 という感覚が出てきたら、それは身体が本来の支え方を思い出し始めたサインです。
📢 効果的に足踏みエクササイズを行うために。
- 足を上げた時に膝が開かないように、膝が正面に向かって上がっているのを確認しながら行って下さい。
- 足踏みを行うときは猫背にならないように、足元を見ずに正面に目線を向けて下さい。
- 「足踏み」は一見すると簡単なエクササイズのように思われがちですが、普段あまり意識しない大腰筋や腸骨筋といったインナーマッスルを刺激するエクササイズです。足踏みの回数はご自身の体力に合わせて行って下さい。最初は数回からでもOKです。
- 無理は禁物です。違和感や痛みを感じたら運動を中止して下さい。
ワーク②:クッションを挟むと、腰がラクに伸びる理由
もう一つおすすめなのが、椅子に座ったときに「膝の間にクッションを軽く挟む」方法です。

ギュッと強く力む必要はありません。そっと挟むだけです。 これだけで、眠っていた内ももの筋肉が目を覚まします。
内ももが働くと、連動してお尻が自然と持ち上がり、後ろに倒れていた骨盤がスッと起き上がります。 すると不思議なことに、無理に頑張らなくても、 「自然と腰が伸びる」 「背筋が楽に保てる」 という心地よい感覚が生まれます。
形を無理に作ったのではなく、身体が内側から自立し始めた証拠です。
身体との対話は「小さな感覚」から
大切なのは、運動の回数や完璧なフォームではありません。
- 足踏みをしたときに、どこが動いていると感じるか。
- クッションを挟んだときに、座り心地がどう変化するか。
ぜひ、その「感覚」に意識を向けてみてください。
「腰がラクになったかも」 「呼吸が少し深くなったな」 「立つのが軽いな」
そんな小さな変化こそが、身体からの嬉しいメッセージです。 身体との対話とは、無理に正しい姿勢を強制することではありません。身体が本来持っている力を思い出し、その変化を一緒に喜んであげること。
その対話の積み重ねこそが、腰痛から抜け出す確かな第一歩になります。
📢 お読みいただく際のご注意(免責事項)
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